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B型肝炎の検査について

 

B型肝炎とは、肝臓がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染し、炎症を起こす病気です。悪化すると慢性肝炎や肝硬変、肝がんなどの重い症状に発展する可能性があります。

中でも、過去に学校などで集団予防接種をして感染した人に対しては、国が給付金を支給していることもあり、ご自身が感染しているのか気になっている方もいるでしょう。

本記事では、B型肝炎の検査方法について解説します。検査を受けるタイミングや受けられる場所についても紹介しますので、受検を考えている方はご参照ください。

■B型肝炎の検査方法と費用

ご自身がB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査でわかります。採取した血液で調べるのは「HBs抗原」や「HBs抗体」の有無です。
HBs抗原とは、B型肝炎ウイルスに感染した場合に表面に生成されるタンパク質です。感染していれば、血中にも含まれるため、現在罹患しているかどうかを判定できます。
また、HBs抗体とは、B型肝炎ウイルスに対抗するために生成されるタンパク質です。ウイルスの表面に付着して、その活動を弱めます。血液中に含まれれば、現在は治癒しているものの、過去に感染していたことがあるとわかります。

また、検査にかかる費用は医療機関の場合で5,000円程度、健康診断や人間ドッグの場合は2,000〜4,000円程度でしょう。

■B型肝炎検査を受けるタイミング

B型肝炎に感染したかどうかを確認できるHBs抗原は、感染から2ヵ月以上経過しなければ検出されません。そのため、検査を受けるなら感染機会から2ヵ月以上経ってからにしましょう。

なお、B型肝炎に感染する機会としては以下のような行為が挙げられます。

・性交渉
・タトゥーを入れる
・ピアスの穴あけ
・カミソリや歯ブラシの共用

B型肝炎ウイルスの感染者の中には、無症状の方も多くいらっしゃいます。不安な場合は、症状がなくても積極的に検査を受けましょう。

■B型肝炎検査の結果判定

B型肝炎検査を受けると、通常1〜2週間程度で結果が出ます。基本的にHBs抗原の有無を調べますが、検査項目は他にもあります。ここでは、HBs抗原が陽性の場合、陰性の場合、それぞれの場合について解説します。

HBs抗原が「陽性」の場合

検査の結果、血液中にHBs抗原が「陽性」であれば、現在、B型肝炎に感染している疑いが強いと判断できます。速やかに医療機関を受診しましょう。
また、主な検査項目と、各項目の概要、陽性結果の意味することは以下のとおりです。

検査項目 概要 検査結果が陽性の場合
HBs抗原 B型肝炎ウイルスの表面に生成されるタンパク質。 現在感染している
HBs抗体 B型肝炎ウイルスに対抗するために作られる抗体。 ・過去に感染したことがある ・ワクチン接種によって免疫ができている
HBc抗体 B型肝炎ウイルス由来のタンパク質であるHBc抗原に対抗するために作られる抗体。 現在感染している、または、過去に感染したことがある
HBV-DNA B型肝炎ウイルスの遺伝子。 現在感染している可能性がある。

HBs抗原が「陰性」の場合

検査の結果、HBs抗原が見つからず「陰性」であった場合は、現在、B型肝炎ウイルスには感染していません。
ただし、HBs抗原が陰性でも、HBc抗体が陽性だった場合は、現在は治癒しているものの、過去に感染していたことがあるといえます。B型肝炎ウイルスは感染したとしても、必ずしも症状が出るとは限りません。感染者の70〜80%は無症状のまま自然治癒するといわれています。

■B型肝炎検査を受けられる場所

B型肝炎検査は以下の場所で受けることができます。
・保健所
・自治体
・医療機関

保健所や自治体が委託する医療機関では無料で検査を受けることができます。ただし、対象となる方の条件は様々で、その内容は自治体によって異なります。実施日や手続き方法なども自治体によるため、希望する場合はホームページなどを確認しましょう。
また、一般の医療機関であれば、有料ではありますが、誰でも受けることができます。保健所の検査の対象に当てはまらない場合や、すぐに検査したい場合などは医療機関で受けるとよいでしょう。

■まとめ

B型肝炎ウイルスに感染しても、必ずしも症状が出るわけではありません。そのため、無症状であっても気になる場合や、家族に感染者がいる、過去に輸血を受けたことがあるなどといったことがある方は、一度検査を受けておくとよいでしょう。一般の医療機関でも受検できますが、地域の保健所などを利用すれば、無料で受けられます。
ただし、給付金の請求を考えている場合は、一般の医療機関で受ける必要があるため、注意しましょう。

 

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