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B型肝炎給付金がもらえない人はどんな人?

 

B型肝炎給付金とは、集団予防接種等で連続使用された注射器による接種を受けたことが原因で、B型肝炎ウイルスに感染した人を対象に、国が給付金を支払う制度です。
支給を受けるには指定された要件を満たす必要があり、感染者だからといって必ず受給できるとは限りません。

本記事では、B型肝炎の感染者であっても給付金がもらえない人の条件について解説します。ご自身が対象者であるかどうか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

■給付金の対象者

B型肝炎給付金の支給対象となる方は、一次感染者・二次感染者・三次感染者の3つの類型に分けられます。まず、支給対象と認められるために満たすべきそれぞれの要件を解説します。

一次感染者

一次感染者とは、集団予防接種等における注射器の連続使用によって、直接B型肝炎ウイルスに感染してしまった方のことです。
以下の要件を満たす場合、一次感染者とみなされます。

 

● B型肝炎ウイルスが体外に排出されず、持続感染していること
● 満7歳に達するまでに、ツベルクリン反応検査を含めた集団予防接種を受けたこと
● 集団予防接種等で、注射器の連続使用があったこと
● 母子感染ではなく、直接感染したこと
● 集団予防接種等以外に感染原因がないこと

 

二次感染者

二次感染者とは、一次感染者である母親から母子感染した、または、一次感染者である父親から父子感染した方のことです。
以下の要件を満たす場合、二次感染者とみなされます。

 

● 母親または父親がB型肝炎の感染者であり、一次感染者の要件を全て満たすこと
● 本人が未だB型肝炎ウイルスを保持しており、持続感染していること
● 母子感染、または父子感染であること

 

三次感染者

二次感染者である母親、または父親から感染した場合、つまり直接感染した一次感染者の孫の代まで感染が続いてしまった場合、孫にあたる感染者のことを三次感染者といいます。
以下の要件を満たす場合、三次感染者とみなされます。

 

● 母親または父親がB型肝炎の感染者であり、二次感染者の要件を全て満たすこと
● 本人が持続感染していること
● 母子感染、または父子感染であること

 

■給付金をもらえない人

B型肝炎に感染していても、受給要件を満たさなければ給付金はもらえません。感染者でありながら給付金をもらえない人の代表的なケースとしては、以下が挙げられます。

生年月日が対象期間外

B型肝炎給付金の対象となるのは、昭和23(1948)年7月1日から昭和63(1988)年1月27日の間に7歳未満であった方です。すなわち、昭和16(1941)年7月2日から昭和63(1988)年1月27日の間に生まれた方でなければ対象になりません。
対象外となる時期に生まれた方でも、要件を満たせば二次感染者や三次感染者に認定される可能性はあります。

集団予防接種以外で感染した

以下のような、集団予防接種やツベルクリン反応検査以外が原因で感染した場合は、支給対象にはなりません。

 

● 輸血
● 父親、保育園の先生や園児など日常生活の場での感染
● 性交渉
● タトゥー
● ピアスの穴あけ
● カミソリや歯ブラシの共用 など

 

原因が集団予防接種等であっても、7歳未満の時期に輸血をしたことがあれば対象外とされる可能性があります。輸血が感染原因であることも疑われ、輸血が感染原因と判断された場合、受給要件を満たさないからです。

持続感染していない

B型肝炎に感染したことがあっても、持続感染していなければ支給対象にはなりません。
持続感染とは、ウイルスが体外に排出されず、6ヵ月以上感染している状態のことです。持続感染の判断は、6ヵ月以上間をあけて、連続して行う2度の検査によります。いずれの場合でも陽性であれば、持続感染しているとみなされるでしょう。
ただし、1回の検査でも「HBc抗体陽性」が検出された場合には、B型肝炎ウイルスに持続感染していると判断されます。

大人になってから感染した

支給対象時期である7歳未満に感染し、大人になってから発症するケースもあります。
その場合は持続感染していたことも考えられ、給付金の支給対象になる可能性があるため、弁護士に相談した方がよいでしょう。

給付金対象外の親から感染した

親から感染した場合であっても、親が一次感染者の要件を満たさなければ給付金は受給できません。支給対象となる二次感染者の要件には「母親または父親がB型肝炎の一次感染者の要件を全て満たすこと」が含まれるためです。
親が一次感染者でなければ、子どもも二次感染者とはならず、給付金の支給対象にはなりません。

証拠資料が揃わない

給付金を受給するには、感染原因が集団予防接種等しかありえないことを立証するための証拠資料が必要です。資料としては、以下のようなものが有効です。

 

● 直近1年分のカルテなどの医療記録
● 持続感染していることが判明してから1年分の医療記録
● (発症している場合)発症時から1年分の医療記録
● (肝疾患により入院したことがある場合)入院中の医療記録全て

 

これらが用意できなければ、要件を満たすことが証明できないため、給付金の支給は受けられません。また、陽性の検査結果が手書きのカルテにしかない場合は補充資料を求められるケースもあります。

■B型肝炎給付金訴訟は弁護士に依頼するのがおすすめ

B型肝炎給付金の支払いを求めて訴訟を起こすのであれば、弁護士に依頼することをおすすめします。訴訟手続きご自身でも行えますが、以下のような理由から、専門家である弁護士に任せる方が簡単になるでしょう。

大変な書類収集のアドバイスや代行を依頼できる

給付要件を満たすことを立証する証拠集めは大変なものです。自分で病院に問い合わせても対応してもらえなかったり、そもそもどのような資料を収集すればよいのかわからない場合もあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、個々のケースに応じて用意すべき書類について具体的にアドバイスを受けることが可能です。場合によっては、ご本人に代わって弁護士が収集することも可能です。ご自身で請求するよりも病院が丁寧に対応していただけることも多く、有効な資料が揃いやすいでしょう。

訴訟を有利に進められる

裁判では、法律知識をもって、証拠を有効活用しながら論理的に主張することが大切です。相手方である国から反論された場合、弁護士であれば証拠や過去の事例をもとにどのように主張すべきかを考え、依頼者にとって最善の結果となるよう導いてくれるでしょう。受給要件を満たすか微妙な案件でも給付金を受給できる可能性が高まります。

専門的なノウハウがある

B型肝炎訴訟には、法律知識だけでなく医療知識も必要です。医療に詳しい法律事務所に依頼することで効果的な資料収集・作成ができ、有利な結果を得やすくなるでしょう。
また、必要書類を収集できなかった場合でも、代替資料での対応を検討することが可能です。証拠がないことを理由に諦めたり、適切に主張できなかったために受給できなかったりするようなことが極力ないようにしてもらえるでしょう。

■まとめ

B型肝炎の給付金は、受給要件を全て満たさなければもらえません。持続感染していなかったり、集団予防接種以外が原因である場合の他、大人になってから感染した場合も給付は受けられません。また、提出する証拠書類が揃わないケースも難しいでしょう。

要件を満たしているのに給付されず、訴訟を起こす場合は、弁護士への依頼がおすすめです。訴訟手続きを代行してもらえる他、専門的なノウハウや効果的な主張によって、有利な結果を得られる可能性が高まります。ぜひ早めに相談し、給付金の受給を受けましょう。

 

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